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蜜刻に揺れて
第7章 callupme
「あいりさんは伊坂さんといつから、どうやって?」

「角膜移植をする前に出会っていて…きちんとあったのは仕事絡みです」

あいりの話しに耳を傾けながら、その出会いから今までが正にドラマの様で、こういう二人を運命と名付けるのだと思った。

運命が二人が離れることを許さないのなら、その片方に想いを寄せた人はどうなるのだろう。

「あー、もう!眠いっ!」

朝一から撮影だったのだから、致し方無い。

誰からとも無く散り散りに家へと帰るらしい。

ごく当たり前に差し出された撥春の手を握り返すあいり。

「おやすみなさい、明日にでもメールします、リュウもまたね」

あいりは手を振って玄関へと消えていった。

「竜、泊まってく?」

「帰るわ」

「静ちゃんと?まさか家に入れたの?竜が?あの竜が??」

浩一郎はしつこいくらいに竜を問い詰める。

「静ちゃん、家入ったの?」

「…はい…?でも、あの、何も無く…」

「何も無いっ?!竜なのに?」

浩一郎の言葉に含まれているものは果てし無い。

「浩、煩い、ハナコ帰るぞ」

「ハナコって何?合言葉?!」

酔っ払いの詰問をさらりと交わして竜は玄関へ向かった。

リュウは疲れたのか自ら小屋へと入ると直ぐに丸まった。
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