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蜜刻に揺れて
第7章 callupme
ベッドに入ると自然と瞼が重くなる。

目を覚ました時、静の気分はまだ落ちていた。

夢の中にまで竜が出てきて、何も言わず静を見つめていた。

何度呼び掛けても答えなくて、後ろを振り向くとそこにはあいりが居た。

自分の事など見えていなかった。

夢だったらいいのに。

そんな場面で目が覚めた。

夢だったけれど。

リュウに餌をやり、洗濯と掃除を済ませるとリュウを連れて実家に出向く。

「あんた、休みの日にリュウのお守りとか…いい人いないの?」

「いなーい」

母親の心配はわかるけれど、こればかりは一人ではどうにもならない。

「円も仕事仕事って、うちの娘たちは揃いも揃って…」

ため息をつく母親を横目にスマホに手を伸ばすと航平からメールが来ていた。

今夜皆んなで集まるというお誘いに、助けに舟とばかりにそそくさと実家を後にした。

6駅先の飲み屋に顔を出すと、航平の向かいには雅希が座っていた。

「お疲れ!久しぶり」

「久しぶり」

航平がバツが悪そうな顔をしている。

航平の隣にすわって生中を頼んだ。

「急だったけど大丈夫か?」

「うん、昨日はお疲れ」

「あれからどうした?」

「ふつーに帰ったよ、リュウが待ってたし…」

生中を飲みながら視線を外してしまう。
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