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蜜刻に揺れて
第8章 奥深く暗い森
駅前に立つ静は想像よりずっと女だった。

竜の名前を呼ばない静。

対等に酒を飲み、揶揄うとムキになる静。

心の底からそれを楽しむ竜がいた。

いい歳した女がセックスの一言で落ち着きを無くし、キス一つで…欲情する。

エレベーターでしたキスで止まらなくなったのは、紅潮した静の瞳の所為だ。

静の泣きじゃくった挙句すやすやと寝込んだ姿を見て、ため息半分、遊びだと思われてるだろうなと竜は感じていた。

遊びじゃないから、リュウを男だと勘違いして飛んでいくし、後ろから抱く方が静は反応がいいからそうしていた。

でも、それが裏目に出ていたなんて。

「…顔見ずにするのは…他に…いるからじゃないの…?」

違う。

前はそうだった。

撥春を見る度に良心が痛んで。

これは墓場まで一人で抱えていくのだと決めた心がじくじくと弱り出す。

吹っ切れたからとあいりが同席する飲み会も、周りに気を遣わせない様に軽く振る舞った。

時々助け舟を出してくれる浩一郎に感謝しながら。

あいりが好きだったんだ。

忘れるなんて出来ないと思っていた。

過去形に出来たのは静のお陰なのに。

「竜」

名前を呼んでくれた時、確かに静だったのに。

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