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蜜刻に揺れて
第1章 change the neworld
「大変ね」
当たり障りのない返しで駅へと向かう。
『ねぇ、今何処?何してる?』
「…買い物して帰るの」
まさか会いたいとか言い出すのだろうか。
微妙な沈黙が流れる。
『後でまたかける』
「何で?!」
『また花子と話したいから、絶対出ろよ?』
「は?何で…」
静の言葉が連なる前に電話は一方的に切れた。
「何がタロウよ…軽いヤツ…」
静は訝しげにそれを見つめて、鞄にしまった。
翌日は朝から美容院へ行った。
ただ一つに結ぶだけの伸びきった髪をカラーリングして、毛先をカットして、パーマをかける。
ふわふわと鎖骨を擽る毛先を鏡で見る度に思わず笑顔になる自分がいた。
真新しいスーツをハンガーに掛けて、鞄の中身を確認すると冷蔵庫からビールを取り出した。
プシュッと音を立ててプルトップを開ける。
グーっと半分まで開けて、テーブルに置いた途端スマホが震えた。
''お疲れー、今日はどこ行ってた?タロー''
開いたメールに静は口を開けたまま見入ってしまった。
応募用紙にバカ真面目にメアドを書いた自分の頭を抱えて悶絶する静。
''俺は今日はすっごいとこに行けた''
「…何処よ、すっごいとこって…」
当たり障りのない返しで駅へと向かう。
『ねぇ、今何処?何してる?』
「…買い物して帰るの」
まさか会いたいとか言い出すのだろうか。
微妙な沈黙が流れる。
『後でまたかける』
「何で?!」
『また花子と話したいから、絶対出ろよ?』
「は?何で…」
静の言葉が連なる前に電話は一方的に切れた。
「何がタロウよ…軽いヤツ…」
静は訝しげにそれを見つめて、鞄にしまった。
翌日は朝から美容院へ行った。
ただ一つに結ぶだけの伸びきった髪をカラーリングして、毛先をカットして、パーマをかける。
ふわふわと鎖骨を擽る毛先を鏡で見る度に思わず笑顔になる自分がいた。
真新しいスーツをハンガーに掛けて、鞄の中身を確認すると冷蔵庫からビールを取り出した。
プシュッと音を立ててプルトップを開ける。
グーっと半分まで開けて、テーブルに置いた途端スマホが震えた。
''お疲れー、今日はどこ行ってた?タロー''
開いたメールに静は口を開けたまま見入ってしまった。
応募用紙にバカ真面目にメアドを書いた自分の頭を抱えて悶絶する静。
''俺は今日はすっごいとこに行けた''
「…何処よ、すっごいとこって…」