この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フルカラーの愛で縛って
第2章 花
毎週月曜はピアノ演奏が設けられた日だ。
いつもより早いが、詩織は、そのままBARへ向かうため、2人と別れることにする。

「詩織ちゃん」
「はい?」

日頃話す機会の少ないバーテンダーの声に、立ち去ろうとした詩織が動きを止めた。

「さっきの話、国崎には黙っといて」
「え?」
「庵原さんってー、国崎さんに妙なライバル意識があるんですよ。国崎さんの方が年上だから張り合っても仕方な、っててて」

再び粛清を受ける望月に軽く目を見張るも、笑って頷く。
同じバーテンダーとして、影の努力は見せたくないのだろう。

「2人に今日会ったこと、内緒にしときますね」
「さんきゅ」
「じゃあ、僕も黙っときます」

手を振りながら引きずられていく望月(と庵原)を見送って、詩織は顔を上げた。
店に入るまで降り続いていた雨は止んでいた。
分厚い雲が立ち込めてはいるが、18時過ぎの空は仄かに明るく、夏の気配を感じさせている。


 *  *

Jazz Bar『Dance』は都会の歓楽街の中の一角にある。
8階建のビルの7階全体がBAR空間になっており、エレベータを降りると直接フロアに繋がっている。
壁の色は黒く、ダウンライトが店内を薄暗く照らしているものの、道路に面した片面の壁が全てガラス張りになっているため、閉塞感は感じられない。
いつもの出勤時刻より30分程早く、7階へ到着する。
フロア内、入り口から見て、やや右側にあるピアノ越しに、ウェイターの小鳥遊(たかなし)の姿が見える。男性客のオーダーを確認しているらしい。一瞬振り返った彼に軽く手を振ると、詩織は店内へ足を踏み入れた。
月曜の18:30だ。開店して30分経っているとはいえ、まだ閑散としている。
/91ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ