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フルカラーの愛で縛って
第3章 絵
* *
男の芸術活動は、いよいよエスカレートしてきた。
彼は今日、詩織を18畳のリビングの中央に立たせ、『ヴィーナスの誕生』のように直立する裸体を描いている。
3セット目の仕上げに入った、その目には鬼気迫る何かがあった。
鉛筆の先端が丸みを帯びる程に、男の熱気が高まっていく。
「あと8分」
詩織は顔を赤らめながら、身の内の快感と必死に戦っていた。
鉛筆の擦れる音に混じって、明らかなモーターの音が室内に鈍く響いていた。
2セット目の最初から彼女の濡れた秘唇はリモコン式のローターを2つ咥えこまされている。
「あと5分!」
「・・・・・・アッ!」
男がポケット中に手を伸ばしてスイッチを弄った。
2つの玩具の振動が「MAX」になり、十分に潤った蜜壺の中で、ローター同士がぶつかり始める。
汗と、濡れた愛液が混じり、詩織の太腿を、ゆっくりと蛇行して流れ落ちる。
(立って、られない…っ)
膝が震えて、快感で何も考えられなくなっていく。
身体が揺れる度に、花蜜で潤んだ粘膜が悪戯な愛玩道具でもてあそばれる。
その感覚だけで、詩織は意識を飛ばして達してしまいそうだった。
胸元を隠すように、左胸へ添えられた右手が、無意識に乳房をキュッと掴んでいる。
体側へ降ろしていたはずの左手は、倒れそうな身体を支えるように太腿に爪を立てていた。
「あと3分。詩織、落ちるなよ?」
鋭い声で、冷静に命じると、男は鉛筆の先を舐めて彼女の腰と股間の柔らかい曲線を素早く描き足す。
その目が眼鏡の奥から詩織の表情を捉えれば、花開く直前のような感極まった表情に目を細めて、睫毛の流れを描き変えていく。