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フルカラーの愛で縛って
第3章 絵

「……ぁ」

とうとう、詩織の赤い唇から堪えきれない声が漏れ、その直後、床に置かれたスマートフォンが震えだす。3セット目の終了を告げる音だ。

「まだだ」

だが、槙野がかくかくと傀儡(くぐつ)のように身体を震わせる詩織を射るように見据えた。
懸命に耐えようとすればするほど、胎内の異物が過敏な肉襞を擽り、甘い苦しみが膣の奥から広がってくる。
最後の一筆まで描き終えて、槙野がクロッキー帳と鉛筆を床に落とし、派手な音を立てた。

「!」

驚いて目を見開いた彼女の前で、男は眼鏡も床に落とし詩織に近づいた。

白いシャツのボタンを外しながら自分に近寄る槙野を、詩織は陶酔した目で見上げる。
左胸を覆うだけだったはずの右手が、時折力を込める下で胸元の果実は既に熟れて固くなっている。
左手が、いつの間にか股間の間へ滑り込み、ぐっしょりと濡れた蜜で指先が熱く濡れている。

この甘苦しい淀んだ快感から救い出して欲しい。
長く続いた果てのない快楽の渦から、引き上げて欲しい。
自分を突き落とした男しか、救いを求める相手がいない。

「まき、の…さん」

「いいよ、おいで」

片手を差し出す槙野へ、1歩踏み出しかけて、詩織は前のめりに倒れこむ。
シャツに口紅の色が移るのも構わず、槙野は淫蕩に微笑んで、詩織の身体を受け止めた。
右手を彼女の臀部へ回し、後ろから蜜唇へ指を伸ばしながら、芸術家は愉しげに口を開く。

「ありがとう、詩織。これで、画集が完成だ」

嬉しそうに呟いてから、男は長い骨ばった指を涎でまみれた詩織の秘所へずぶりと埋めていった。




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※傀儡…操り人形、マリオネットのこと。他人の言いなりになって、動きを利用される者を指すこともある。「かいらい」とも読む。
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