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フルカラーの愛で縛って
第3章 絵

* * *
その日の男は執拗だった。
画集が完成して、彼女の全てを描き切った愉悦のせいか、それとも描ききれなかった何かを余す所なく暴こうとしているのか、彼女の身体を試し、弄び、拘束して愛撫した。
どんなデッサンの後も決して優しく愛されることは無かったが、この日ほど詩織を追い詰めることは無かったように思えた。
「清純そうな顔をして、とんだニンフォマニアだ」
「俺に出逢う前から、誰かに仕込まれていたんじゃないか」
「昼は淑女で、夜は娼婦か」
「嫌がるふりをして、こんな倒錯的な男に溺れているのは、お前だろう」
「お前の理性がどんなに俺を拒もうと、お前の身体は俺に拓かれているじゃないか」
「ほら、もっと足を開いて、淫らに堕ちてみろ」
獣のような息遣いで、詩織の耳に囁き、あざ笑って腰を振り、詩織が達する直前に乳首に爪を立てた。痛みで叫びかける彼女の口を大きな手で塞ぎ、恐怖で見開かれた瞳の眼前で微笑んで、そして直後、男は苦痛に歪んだ顔で詩織に不意に口付ける。その口付けの合間に、男は強い憤りの表情で泣きそうになりながら「詩織、愛している。どうしようもないほど、欲しくて溜まらない。君だけを描いて、君だけを閉じ込めたい」と、うわ言のように呟いていた。
詩織が、その日、何度目か分からない快楽の果てに落ちた後、
ぐったりと弛緩する彼女の髪を撫でながら、
男は、ただ、「詩織、俺の美しいニンフ…」と微笑んでいた。
何もかもを振りきってしまった、そう感じさせる淀みない笑みだった。
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※ニンフォマニア…色情狂のこと。(男性の場合は、「サチリアジス」)

