この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フルカラーの愛で縛って
第3章 絵


  *  *  *


ソファから毛足の長いラグに転がり落ちていた詩織が、ようやく重い身体を腕の力で起こそうとした時、マグカップに紅茶を入れた槙野が詩織の元へ、ゆっくりと歩いてきた。
彼は、先程までの激情が嘘のように、既に洗いたてのシャツを来て、デニムを身に纏っていた。

ローテーブルを引き寄せて紅茶のカップを置くと、男は手にしていた真っ白いバスローブを広げる。立ち上がろうとする詩織に手を貸してバスローブを着せると、精液と愛液で汚れたソファに、そのまま詩織を腰掛けさせた。
自分は、そんな彼女を立ったまま見下ろし、はだけた合わせから覗く、美しい右胸の膨らみと太腿の白さ、コントラストを生み出す脚の付け根の茂みを眺めている。

暫くたって、男は、単純な話をした。
『画集を書き終えた。その画集は、既にフランスとイタリア、スペインで発刊が決まっている。だが、自分が今、興味があるのは、これまで撮影してきた詩織の写真だ。その写真に絵を重ねて描き、写真と絵を融合した作品集を創ろうと思っている。既に、国内のいくつかの出版社が、この企画に賛同の意を示している。だから、詩織にもモデルとして協力してもらいたい』
そんな内容だった。

話を聞きながら、詩織は無言でバスローブの前を合わせ俯いた。
少し考えてから、詩織は、男の話を受け入れた。
男の話を受け入れてから、代わりに、この関係の幕切れを提示した。
槙野に出会ってから、6年以上が経っていた。
今から1年半ほど前、彼女が29歳の時のことだった。


/91ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ