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第6章 命

振り切るように、右手に力を込める。詩織の中に入れた手の動きを早めれば、早めるほどに肢体が揺れた。指を締め付けて離さない襞に、ここに突っ込んだら、どんなに心地よくなれるかを想像する。

「はっ…、待っ、……ッ！」

緩慢な動きで、詩織が両手を引き寄せる。手首で繋がったままの、その手を、初めて庵原の腕に伸ばした。腰がガクガクと震え、膣壁がきゅっと締まる。
媚肉の動きに、庵原の表情が強く意志を持つ。あやす動きが、追い詰める動きに変わる。束ねた３本の指の注挿が早まり、室内に濡れた音が響いた。
詩織の呼吸が乱れ、首筋に浮かんだ汗がシーツに落ちる。

「やっ……、だ、めっ……ッ！！」

一際甘く細い声が上がった。
直後、詩織の身体がビクッビクッと痙攣し、庵原の指から右の手首までを飛沫がぱっと濡らした。
思わず溢れて飛び散った滴に、詩織が息を荒げながら手首のワンピースで顔を隠す。

「…んっ」

濡れそぼった右手を引き抜かれ、抑えようのない声が漏れた。
庵原の指先から、音もなく雫が落ち、シーツの染みが色濃くなる。