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曖昧なままに
第15章 唯、興じて

 はあ――はあ――はっ――!


 俺は懸命に、愛美の奥底を叩き続けて――。


 ああっ――ん――ああんっ!


 応えた愛美も、その全身で喜びを表すように……。


 すっかりと暗くなった部屋の中で、二つの影は重なって蠢き――。


 ぐちゅ、ぐちゅり――と、濡れた身体の芯が、擦れて戦慄いていた。


 やがて――二人は絶頂へと、駆けようとしている。


「ひ、洋人さん――お願い!」


「ま、愛美――?」


「この刹那だけで――いいの」


 そう言った愛美の四肢が、俺の身体に巻きついた。


 両手で首を抱き寄せ、両脚で腰を絡め取ると――俺を強く引き寄せてゆく。


「その高鳴りを――私にください!」


 ――――キュウウゥン!


「――!?」


 最初の時とは異なる、弾力の中に溶け出すような――その締め付け。


 その手足も――その坩堝も――愛美は全てを用いて、俺の絶頂を刻むかの如く。


 そして、俺は――


「ああ……う、ああ…………」


 ドックン――ドク――ドク――ドク――――――――――――。


 何処までも続くような錯覚の中で、その意識さえも奪われていった。


 快楽と疲弊に墜ち行く途上――。


 瞳を閉じた俺の脳裏が想い欲したのは――その背中。


 俺は遠のく意識の中で――それに告げる。





 奈央……すまない…………
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