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曖昧なままに
第4章 飲み潰れた後
「あ……!」

 敏感な部分を責められ、ようやく俺は自らの声を自覚する。

「男の人も――ここは感じるんですね」

 ニッと笑みを零しつつ、愛美は舌を動かし続けていた。だが弄る如く周辺を這いながらも、まだ乳首には触れようとしない。

 焦らされいることを知り、俄かに高まりゆく興奮。それが小さなピークに達しようとした時、愛美はそのタイミングを逃さなかった。

 唾液でぬらりと光る舌先を、ゆっくりと右側のソレに近づけ――

 ピトリ――

 と、ついに核心へと触れる。

「う……」

 思わず漏れた声。それを期に、愛美の攻めは激しさを増した。

 ペロペロと優しく舐め、時として強く吸い着き。左右を移動しながら、彼女の舌が俺の乳首を這い回ってゆく。

 はあ……はあ……。

 何故、こんなことに……? 訳もわからぬまま、俺の息遣いが荒くなる。

「気持ちいい、ですか?」

 そう問われ、俺にゾクリとした感覚が奔った。その時の眼差し。まるで反応を確かめる如く、愛美が一心に俺の顔を見つめている。

「い、いや……別に」

 十分な快感を受けながら、それを否定。それが愛美の中のギアを一段、上げる結果となったのだろうか。

「変ですね。だって――」

 そう言うと同時。彼女の右手が、俺の腹部を下へ。すると一切の躊躇もなく、スルリと下着の中に滑り込んだ。

「コレ――もう、カチカチですよ」

 愛美の冷たい手が、膨張したモノを掴み。そして更に力を込めて、ギュウと強く握り締める。

「くっ!」

「あ、ごめんなさい。でも正直に言わない、洋人さんだって悪いんですからね」

 口を尖らせ怒ったような顔。愛美は一度、右手の力を緩める。だが完全に解放するではなく、それに徐々に上下の動きを加えた。

「素直になってください。そうすれば――気持ち良くしてあげます」

 その言葉が俺の脳裏に、優しく響く。

 愛美は再び舌を乳首へと這わせ、そして右手の速度を容赦なく増した。複数の刺激が俺の中で絡み合うと、早くも頂が近づこうとしている。

「ダ、ダメ……だっ!」

 まだ自由の利かぬ身体。俺は何とか両手で、愛美の頭を抱え込む。

「そっか。このままだと下着――汚れちゃいますね」

 愛美は淡々とそう話し、更に俺にこう告げた。

「だから、もう少し我慢。そしたら全部、私が口で――受け止めますから」
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