この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
曖昧なままに
第5章 尚、儘ならず
 訪れたその週の金曜日――。

 そんな訳で俺と西河奈央は、居酒屋のカウンターで肩を並べていた。

「プハッー! やっぱ冬でも、ビールが最高!」

 奈央は大ジョッキのビールを豪快に飲み干し、満足そうに声を上げる。

「ハハ……凄いね」

 その様子にやや圧倒されながら、俺もジョッキを傾けた。

 彼女は結構な酒好きらしく、それもかなりイケる口のようだ。徐々に陽気になる奈央と、俺は思いの外楽しい時間を過ごしていた。

 互いに酒が進むと、話は二人の共通項である離婚の話題へと至る。この前も聞いているが、俺と同じく彼女もバツイチだ。

 最初は割と真剣なトーンで話していたが、その内容は次第に妙な方向へ舵を切ろうとしている。

 それは奈央の、こんな一言がきっかけだった。

「中崎さん。結婚してた時って、どれくらいのペースでしてたの?」

 いい感じに酔いが回った彼女は、既にタメ口である。

「ペースって、何の?」

 そう聞き返すと――

「セックス」

 その直球な言葉に、俺は思わずむせ返りそうになるのを何とか堪えた。三十過ぎの男が、これくらいで狼狽えるのも見っともない。

 俺は平静を装いつつ、その問いの答えを考えた。

「そりゃあ新婚の時は、それなりにあったけど……」

「週に3回とか?」

「まあ、そんな頃もあった……かな」

「いつから減ったの?」

「さあ……覚えてないけど。でも例えばさ――こっちが求めた時に、相手が嫌な顔したとするじゃない」

「うん」

「そしたらもう――次からは、まずその顔が頭に浮かぶんだよね。そんなことが何回かあると、徐々に気が引けていって――」

「でもさ。たぶん、それ奥さんも同じだと思うよ」

「そうかもね」

 流石に妻に浮気されたことまでは話していない。だが確かに、セックスレスになっていたのも事実だった。それが原因の一端であることを、否定はできまい。

「私ね。セックスってとても大事だと思う。裸で求め合えば、消えるわだかまりもあるんだよ。きっと――」

 奈央は、そう力説するや一転。今度は酔ってトロンとした瞳を、俺へと向けた。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ