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曖昧なままに
第5章 尚、儘ならず
大人としてあまりにも拙い問いではある。だが今は、彼女の気持ちを確かめることが肝要。その突端としては、これで良かった。
愛美は顎の先を指で触りつつ、俺の質問に答えてゆく。
「うーん……そうですね。年上で落ち着いていて、こんな私の話を聞いてくれる優しい人。あ、その上いつもご馳走してもらったりとか。それも含めて、これでも洋人さんには感謝していますよ」
「いや、そんなことは構わないけど……そうじゃなく」
「?」
何となくすかされ難しい顔をした俺を、愛美は可愛く小首を傾げ見つめている。俺はもっとはっきりと言う必要を感じた。
「以前は別にこうしてたまに会って話すだけでも、いいような気もしてたんだ。それだけでも孤独は癒されるし、そんな意味では俺の方こそ――」
「よかった。では、これからも――」
そう言って笑った彼女。その言葉を制して、俺は言葉を続ける。
「だけど、あんなコトがあったから」
「あんなコト……?」
コーヒーをグッと飲み、一息つくと俺は真剣な顔を愛美に向けた。
「さっき言ったことと、矛盾してるかもしれない。でも正直な気持ちを言うなら――俺はキミと、付き合いたいと考えていた。ちゃんと普通に、ね」
そう聞いた愛美は、少し困ったように視線を伏せる。
「最初にも話しましたよね。私、それは無理だって……別に洋人さんに限らず、たぶん誰とも……」
「だったら何故――」
そう言いかけた時、脚に妙な感覚を覚え言葉を止める。テーブルの下で、俺に脚を絡みつけてきたのは、愛美の方だった。
驚いて彼女の方を見ると、そこには例の顔。怪しさを携えた、愛美の裏の顔が表れている。
「あんなコトって、つまり――」
俺をじっと見据えながら、彼女の脚が膝先を何度か突く。それが徐々に太ももを摩り始め、それがついに俺の股間へ届いた。
彼女の靴下に覆われた足が、テーブルの端より俺の視界に入ってきている。
「こういうコト――でしょうか?」
そう訊きながら、愛美は足先を器用に動かして続ける。開いた親指と人差し指の間で、膨らみ始めた形を確かめるようにそれを挟さんだ。
慄き呆然とする俺の顔を楽しげに眺め、更に愛美はこう話す。
「洋人さん、気持ちいい――そう言ってくました。そして、私もコレがとても愉しいの――だから、問題はないと思いますけど?」
愛美は顎の先を指で触りつつ、俺の質問に答えてゆく。
「うーん……そうですね。年上で落ち着いていて、こんな私の話を聞いてくれる優しい人。あ、その上いつもご馳走してもらったりとか。それも含めて、これでも洋人さんには感謝していますよ」
「いや、そんなことは構わないけど……そうじゃなく」
「?」
何となくすかされ難しい顔をした俺を、愛美は可愛く小首を傾げ見つめている。俺はもっとはっきりと言う必要を感じた。
「以前は別にこうしてたまに会って話すだけでも、いいような気もしてたんだ。それだけでも孤独は癒されるし、そんな意味では俺の方こそ――」
「よかった。では、これからも――」
そう言って笑った彼女。その言葉を制して、俺は言葉を続ける。
「だけど、あんなコトがあったから」
「あんなコト……?」
コーヒーをグッと飲み、一息つくと俺は真剣な顔を愛美に向けた。
「さっき言ったことと、矛盾してるかもしれない。でも正直な気持ちを言うなら――俺はキミと、付き合いたいと考えていた。ちゃんと普通に、ね」
そう聞いた愛美は、少し困ったように視線を伏せる。
「最初にも話しましたよね。私、それは無理だって……別に洋人さんに限らず、たぶん誰とも……」
「だったら何故――」
そう言いかけた時、脚に妙な感覚を覚え言葉を止める。テーブルの下で、俺に脚を絡みつけてきたのは、愛美の方だった。
驚いて彼女の方を見ると、そこには例の顔。怪しさを携えた、愛美の裏の顔が表れている。
「あんなコトって、つまり――」
俺をじっと見据えながら、彼女の脚が膝先を何度か突く。それが徐々に太ももを摩り始め、それがついに俺の股間へ届いた。
彼女の靴下に覆われた足が、テーブルの端より俺の視界に入ってきている。
「こういうコト――でしょうか?」
そう訊きながら、愛美は足先を器用に動かして続ける。開いた親指と人差し指の間で、膨らみ始めた形を確かめるようにそれを挟さんだ。
慄き呆然とする俺の顔を楽しげに眺め、更に愛美はこう話す。
「洋人さん、気持ちいい――そう言ってくました。そして、私もコレがとても愉しいの――だから、問題はないと思いますけど?」