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曖昧なままに
第6章 肝心なルール
 いわゆるM――その性的倒錯は自分に無縁なものだと、俺はそう思っていた。と言うよりも、その傾向を深く意識する機会もなかったのだろう。

 俺がそれまでに付き合ってきた女性たちは、タイプの差異こそあれどその意味においては至ってノーマルだった。

 だからこそ俺にとって愛美は異質であり、そしてそれが故、俺の新たな一面を容赦なく解放しようとする。

 その過去にどんな事情が、隠されているのか未だ知れない。だが彼女はやはり、普通ではなく。俺に快感を与えることに対して、不思議なまでの意欲を見せた。

 愛美は肌を擦らせながら身体を重ねると、上から俺の顔を覗き込む。

 くす――。

 一瞬、目を合わせ微かに笑う。柔らかいふくらみが、俺の胸板にたぷんと密着。そうしながらも愛美は、その可愛らしい口元からチロと舌を出した。

 最初に鼻頭に触れたそれが、スゥーっと鼻筋を上へと昇る。次いで右の瞼の上をそっと撫ぜると、今度は耳元へ至った。

 ふっと吐かれた吐息が、また俺の感覚にほのかな刺激を加える。

 ん……ちゅぱ……ふっ……ちちゅ……。

 脳内へダイレクトに伝わりゆく、怪しい音。ウエットな舌が、丁寧に耳の隅々を擽ってゆく。その言い様のない淡い感触に俺が焦れた頃、愛美は耳たぶをカプリとかじった。

「痛い――ですか?」

「いや、とても……気持ちいい」

「ウフ――素直なのは、良いことです」

 満足げにそう言うと、愛美は舌を顎のラインを経て口元へと戻す。すると十分な唾液を滴らせ、それを俺の唇に沿って這わせた。

 ぬらぬらと艶めかしく動ごめき、口径を一周した舌。次に口内に、差し込もうと窺う。

 しかし俺が迎えようと身構えた時、愛美はスッとそれを逃がした。

「舌を出してください」

「うん……」

 命じられるままに、突き出した舌。その先端からゆっくりと、愛美の口へ呑み込まれてゆく。

 すぷっと呑み込み、ちゅぱっと吸い上げる。愛美は柔らかな唇で俺の舌を包みながら、その上下の動きを幾度も繰り返した。

 互いの唾液を滑らせ、徐々に早く――。

 それ自体が快感でありながら、他所への擬似行為をも連想。それが俺の興奮を、一気に倍加させていた。

 まるでその期を、見透かしたかのよう。

「もう、元気なんですね」

 愛美は太ももを擦り付けて、股間の高鳴りを探っていた。
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