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曖昧なままに
第6章 肝心なルール
「どこへ――触れたいのでしょう?」

 愛美は既に肉棒をリズミカルにしごきながら、そう訊ね俺を振り向く。与えられ続ける刺激に耐え、俺はどう答えたらいいのかを思慮した。

 形の良い尻を存分に撫で回し、白く細い太ももの間に顔を埋めたい。まだ残る一枚の隔てを剥ぎ取り、その秘部を確かめ貪りたい。

 俺の欲望は、限りなく拡がろうとしていた。

「全部……は、駄目かな?」

 俺は口籠り、そう答えるが――

「それは、駄目です」

「じゃあ、お尻だけ?」

「はい……だけど、優しくお願いしますね」

 愛美のその声は、とても恥ずかしそうだった。

 だが了解を得て、俺は右手を無遠慮に腰へと伸ばす。その気配を察して、愛美の尻がピクリと微かに反応。

 その様子を見るや、俺は手を止め再び彼女に懇願する。

「顔に上に――跨ってくれない」

「え? でも……」

「頼むよ。このままじゃ、触りづらいから」

 その子供の言い訳じみた願いに、戸惑う愛美。しかし少し考えた後、渋々とそれを了承した。

「わ……わかりました」

 そう答え、上体を起こした愛美の顔は真っ赤。

 彼女は自分の言葉通り、可能な限り俺の求めに応じようとしている。その気持ちを察した時、俺の目には彼女の姿が天使の如く映されていた。

 だからこそ、彼女が示したルールを犯す訳にはいかない、と強く思う。

 愛美を裏切って、彼女を失うのが怖い。この奇妙な関係の坩堝に、俺はもう溺れて初めていた。

「で、では――」

 俺の脇の辺りに右膝をつくと、俄かに股を広げ愛美の左脚が俺の顔を跨いでゆく。とてもゆっくりとした動作。小刻みにプルプルと震わせた内股に、彼女の恥辱が見て取れた。

「――失礼します」

 持ち上げた左膝をそっと下し、俺の望む体勢は整う。愛美は俺の顔を跨ぎ、目の前には魅力的な尻が惜しげなく存在していた。

 待ちわびたように、俺は両手でそれを迎える。冷たくツルリとした感触。その丸みを確かめるように、両手を曲線に沿わせた。

「ん……はあ」

 次第に荒くなる愛美の息遣いを耳にしながら、円を描くようにその肌触りを存分に愉しむ。徐々に手の位置を変え、次第にそれが内股へと向かった。

 下着のライン――俺は親指をその際どい部分に、ゆっくりと這わせる。


「うん……ああっ……だ、だめぇ!」
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