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曖昧なままに
第6章 肝心なルール
 期せずして、愛美の『全て』を目にすることを『許された』――俺。自分の限界が近いのを知り、一刻も早くソレをこの目に収める必要を感じた。

 後で冷静に考え直したのなら、それはあまりにも滑稽な思い込み。だがその時の俺は、それだけを強烈に望んでいたのだ。

 果てた後では遅い。最高の快感の中にある今こそ、初めてそれを目にすることに高い価値を見出せる。

 無理にその動機の理由を設けるのなら、そんな感じなのだろう。

「じゃあ――見せてもらうよ」

「……」

 その問いに返答はなかった。愛美は只、執拗に俺への愛撫を仕上げようとする。

 だが、僅かに突き出されていた尻――その動作が、その了承であった。

 俺は緊張しながら、伸ばした両手でそっと下着の両端を掴む。そしてゴクリと喉を鳴らし、それを太ももまでスルリと滑らかに下ろした。

「……」

 恐らく初めて女の裸を見た時でも、これ程の想いは訪れてはいまい。

 ようやく俺の目に触れた――愛美の秘部。それが俺に、言い様の無い感動を与えていた。


 生い茂った柔らかげな恥毛が、あるがまま自然に漂い。

 白桃の中心に佇む孔は、上品なまでにきゅっとその皺を束ねる。

 そして、控えめな襞で未だ閉ざされている――愛美自身。微かなそのきらめきが、しっとりとした心の艶を顕わにしているかのよう。


 一言で言い表すのなら、そこはかとなく美しい。稚拙と笑われようとも、俺はそう伝えるしかなかった。心より率直に、俺は揺ぎ無くそう感じている。


 スローモーションのような視界。その中で『愛美』に目を奪われた時。そのまま俺は絶頂へと駆け上がろうとしていた。

 手と乳首の繰り出す刺激が溶け、緩やかな感覚の中で一つに混ざり――そして高鳴る。

 その期を逃さずに、俺の目の前で――愛美の『口』が囁いた。


『いいですよ……思い切り……私の前で……さあ……曝け出して』


 電撃ショックに貫かれたように、俺の身体がビクリと波打つ。

 逆らえずに腰を浮かせ、俺は己の怒張を強く突き出した。亀頭は乳首を押し込むように、柔らかな弾力の中へ――愛美の胸の膨らみに埋まっていた。

 強烈な快楽の最中。先端に乳首の存在を感じながら――。


 ズビュウ! ――ビュッ――ビュ――


 愛美の胸の圧迫のをかき分け、俺は激しく幾度もの放出を繰り返していた。
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