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曖昧なままに
第8章 相和する時
 奈央は布団の上で、それを待っていた。俺はその正面に座り、彼女の肩に両手を置く。そうして、暫し互いの顔を静かに見つめ合う。

 奈央は瞳を僅かに潤ませ、欲するように唇を開いた。

 強烈な磁石の如く、引き寄せ合う力が身体に作用しているかの如く。糸一本が切れるような些細なきっかけがあれば、二つの衝動は激しくぶつかり合うことが容易に予想される。

 そんな状況にあり、俺はふと口を開いた。

「先に言っておくけども――」

「何――?」

 奈央は微かに首を傾げ、しっとりとした声を発する。

「実は――」

「うん……」

「持ってないんだよね――ゴム」

「は?」

 奈央の表情から、瞬時に消えゆく妖艶。

「はあ……この雰囲気で言いますか、ソレ? 大体わかりますよ、それくらい」

「いや、言っておかないと……何か落ち着かなくて」

 バツが悪そうにする俺を見て、奈央は何処か無邪気にも思える微笑みを浮かべた。

「あはは。ラッキーでしたね」

 俺の胸にボスンと飛び込み――

「中で出さなければ……今日は大丈夫です」

 俺の耳元で、奈央は甘く囁く。

 『中で――』との、迎え入れる意思の表れ。それを噛み締め、俺は高鳴っていた。

 緩やかに倒れ重なる二つの身体。俺も奈央も――解き放たれたように、唇を重ね合う。


 ちゅばっ、ちゅちゅう――くちゅくちゅ、ちゅぷ――じゅーぱっ!


 じっくりと味わうのではなく、激しく吸い尽くすようなキス。絡み合う舌が、より大きな刺激を探して動き続けてゆく。

 更に深い交わりを求めて、大きく開かれた口をぶつけ合い。これでもかと奥まで、舌を差し込む。その限界を悟るもどかしさを、また強烈に吸い上げた――。

 熱を帯びた口づけを交わしながら、俺は右手で浴衣の帯をスルリと解く。

 それに反応し唇を離すと――

「あん……灯り、消して……」

 奈央は紅潮させた顔で、そう伝える。

「さっきは、挑発してたクセに」

「あれは……私なりに必死で」

 身体を捩らせ、顔を背ける。その仕草が意外で、何とも可愛く思えた。

「でも、消さない。よく見せて」

 そう言って浴衣の前を開くと、現れた下着姿の奈央。その魅力的な肢体を、俺は感慨深く見つめた。

 左程、白くはなく程好い肌色。きゅっとした腰のくびれが、大きな胸を一掃に強調させている。
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