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第8章 相和する時

　一切を脱ぎ去り、身体の全てを晒して――。

　再度、身体を起こし抱き合うと――深く唇を貪る。

　求め伸びゆく手は――互いの秘めたる場所を弄った。

　反り返った形を確かめる如く、奈央のしなやかな指先が蠢き。

　止めどなく滴る潤いは、俺の二本の指を容易に呑み込む。


　その最中に於いて――先に快感に溺れつつあるのは、奈央の方であった。

「ん、んんっ……ああ……やっ、だめぇ」

　ビクッと背を反らせると、奈央は身体を布団の上に倒す。

　はあ……はあ……と、呼吸で大きな胸を揺らし、トロンと溶けそうな瞳で俺を見上げる。


「私、我慢できないよ……中崎さん…………来て」


　奈央はそう懇願すると――俺を前で、その脚をじわりと開いた。

　突き上げるような興奮を覚えつつ、俺は奈央の坩堝を凝視する。

　自らの満たした露で、てらてらと光り。内股や陰毛までを、しっとりと濡らす。俄かに開かれた口がヒクヒクと靡き、まるで俺の訪れを待ち兼ねているようだ。

「わかった……」

　奈央の言葉の身体にそう応じて――俺は自身を握ると、その孔へ導き押し当てる。

「あぁ……」

　薄く漏れ出たのは、短くも満足な響き。

　だが俺は、一気に貫くのを止めた。矛先を持ち上げて、それをじっくりと陰核までへ沿わせた。更に竿の腹を用いて、幾度も互いを擦り合わせる。

「あんっ……もう」

　奈央は焦れて腰を艶めかしくくねらせると、俺を恨めしそうに睨みつける。

　俺にしても、欲望を突き立てたいのは山々だった。

「じゃあ……入るよ」

「うん……頂戴」

　再度グッと力を込め、俺はソコに挑む。

　ツ……プ。

　奈央を押し広げて――亀頭までを滑らかに埋めた。

　中の温もりの感触が、俺の全身に快感を伝えている。

「あっ……そう……もっと」

　奈央は俺の目を見据え、更に深くの到達を促す。

　もう少し、焦らすか……。その表情を見て、その様な欲求が俺の中に芽生えた。

　スローな浅い出し入れ。俺は亀頭までの挿入を、緩やかな動きで繰り返す。

「うぅん……あんまり、苛めないで」

　奈央は瞳を潤ませ、俺にそう訴えた。

「ゴメン。奈央が可愛いくて、つい――」

「バカ――」

　照れてそう言ったタイミングに合わせ――


　――ズブッ！


　俺は根元までを深く、奈央の最中へ埋め尽くした。