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先生の彼女
第4章 理性
チクタクと時間が過ぎてゆくが、誰も来ない
2人だけの空間に落ち着く
「あ、そういえばさゆちゃんがノートに描いてるイラスト、最近見ないけど、どうしたの?」
「ちょっと子供っぽいかなって思って…辞めました」
「そっか…可愛いかったのに」
「かわりに先生が書いてみてください」
いたずらっぽい笑顔で急な無茶振りを言う
LINEをずっとしている内に自分の話をしてくれたり冗談を言ったりしてくれて、壁を感じなくなりはじめた
素直に嬉しい
たまに敬語になる癖が治らないけど
「いいけど、下手だよ?」
記憶を頼りにその辺にあった紙に書いてみた
…けどなにか違うのものができた
「先生、なにその目!」
目が変だったのか彼女はおかしそうに笑っている
「こんなんじゃなかったっけ?」
その笑顔につられて俺も笑う
「違うよ、顔全体的に違う!顔はね、こうやって…」
と持ってたペンを貸してと言って俺の絵の隣に書き始める
イラストよりも彼女が楽しそうにしている姿を、俺は見つめていた
幸せだなと思いながら
「できたよ、せん、せ…」
出来たのと同時にひょいと顔をあげ俺の方を見る
お互いの顔が10cmもないほど近かった
(近い…)
けど目を離せられない、お互いに。