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魅惑の境界線
第24章 魅惑のFGC

これはどうしたもんだろうか

とりあえず警察官からは助けられたけど
人違いだろうし…

前を歩く女性の後ろ姿について歩く

口元までマフラー巻いているだげで
自分の妹と間違う?
そんなに似てるのかな?

って他に人は居なかったような

とは言え
今日は警察官に気付かなかったどころか
この女性にも気付けなかったから
もう一人居てもおかしくないか

目の前で動く膝の裏
その上にまとわる
タイトスカートの裾が引く
境界線が気になる
と同時に
自分の膝上を掠めるプリーツの境界線を
強く意識させる

いやいや
人違いだと伝えなきゃ
妹が居たなら夜中の公園にひとりぼっちになる

「…あ、あの…」
マフラーの中で小さく咳払いをして
裏声でできるだけ高い声を絞り出すと
女性の足が止まった
「…あの、人違いです…」
「…ふふっ…」
振り返った女性はこちらを見て笑いかけてきた
「人違いじゃないわよ」
「?」
「その声だとマスクをして風邪という事にしとかないとね」
どういうこと?
男だって事がバレてる?!
「…」
「大丈夫、私はあなたの味方だから」
少々テンパってる僕を見てそう言ってくれたので
大きく息をついてから
喉の奥で咳払いをして
「…どうして助けてくれたんですか?」
と地声でたずねた
「そうね~…いい趣味だからかな?」
「これが?」
「いいじゃない、かわいいし良く似合ってる」
「…」
「でね…あ~…ゴホン…ごめんこっちも地声でいいかな?」
彼女が何かを言いかけて詰まり
咳払いをすると
声のトーンがグッと下がった
この人も男?
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