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第3章 変化
翌日仕事に出かけた彼から
日中何度も電話が鳴る
「なにしてるの?」
「どこにいるの?」
そんな内容ばかりだった
私は
「どうしたの?お買い物済ませて家に帰るよ
お家で待ってるね」
とそのままに告げる
きっと昨日のことで不安になっちゃったのかな
大丈夫かな…
そのくらいにしか思っていなかった
彼は帰宅すると
そのままベッドに私を連れて行き
無我夢中になって私を求めた
夕食を済ませて片付けをはじめると
「今日はお化粧してるんだね」
と彼が不満げに言う
「ん?
あぁ…
近所ならそのまま行っちゃうけど
今日は駅のほうまで行ってきたからね」
私が言うと
「そんなこと言って
男とでも会ってたんじゃないのか?」
と彼が言う
私は
「違うよ、そんなことあるわけないよ」
と言ってバスルームに向かった
湯船に浸かってふと思った
きっと彼女に会ってしまって
その頃を思い出してしまったんだろうな
ちょっと怖かったな
私は彼女とは違うのにな…
少し胸が痛んだ
それは彼に自分が信用されていないことと
私が今まで付き合ってきた人に対しての気持ちが
今の彼のようだったと
誰かの胸を痛めてしまっていたのかもしれないと
気付くことができたからだったと思う
いつもあきらめながらも
誰かに本当はそうじゃないよって
教えてほしくて
自分をどこまで見せて良いのかも分からなくて
強がってばかりいた
そのくせ相手の弱いところまで
全てを見ないと気が済まないような気がしていた
きっと私も私のことを想ってくれている人を
傷つけてきてしまったんだ
「何を考えてるのか分からない」
「俺のこと本当に好き?」
「どうしたら分かってくれるんだ?」
「冷たいな」
そんなことばかり言われていた
きっと
好きだから信じてほしいって
そう思ってくれていたのに
私は面倒な話になると
いつもすぐに別れを告げてしまう癖がついてしまっていた
自分が今
逆の立場になって
はじめて気付いた
私は彼に何をしてあげられるんだろう
その夜は眠れなくていろんなことを考えていた
私はできるだけ
彼の不安や不満を受けとめてあげたいと
そう思っていた