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第14章 二年

私は夫に話をする前に
彼に相談していた

私は間違っているのか…
他に選択はないのか…

彼もまた10代の頃に
父親が度重なる借金を膨らませ
一家は崩壊しかけたと聞いていた

家に寄り付かない父親と
父親の女性関係に悩み鬱になり通院していた母親
彼は小さな頃から物には恵まれていたけど
それ以外は何も満たされていなかったと
言っていた

「お前も一人が多かったか…
俺は男だしな…さみしいとは思わなかった
日曜は母親の具合が悪いからって
親父に車に乗せられてさ
おもちゃと菓子とゲーム山ほど渡されて
パチンコ屋の駐車場の車に放置されてたんだ…
今じゃありえないよな!」

彼は笑いながら言っていた

「でも俺が18になる少し前に
いよいよ親父にもツケが回って
遊んでいられなくなってさ
膨れた借金と病気の身体で家に助けてくれって
白旗上げて来たんだよ
自己破産させて
逃れられなかった税金とかは清算して
生活を持ち直すまで遊ぶこともやめて働いた
金が全てだと
金があればどうにでもなるって
ずっとそこばっかり見て走ってたんだ…」

そう話してくれた彼が
その地獄のような時期から喜怒哀楽が
薄れてしまったと
そう言っていた

きっと彼は自分自身を押し殺し
歩いて来てしまったんだろう

私は病院での出来事と
考えていることを彼に話した

「旦那さんには?話さないの?」
彼に聞かれ

「話すよ…全て決まったらね…
あの人は決断も全部私の好きにしたらいい
ってそう言うだけだから…」
とありのままを話した

「そうか…それならお母さんの返事を聞いて
一緒に考えよう
俺は美砂のためならできることは全部やるよ
大丈夫だから
安心してな…」

そう言ってくれた


もう私の心は一人ぼっちではないのだと
実感する

少しずつでも良いから
とにかく前に進もうと
自分自身のために
立ち止まって泣くのは止めようと
そう思っていた…










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