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第15章 暗闇と光

今までの私なら
大丈夫と言い張り遠ざけ
一人で抱え込みもがき苦しんでいただろう

暗闇に自ら進んで入り
出口のないその暗闇で
頭が変になりそうになっていた

でも今の私には彼が居てくれる

彼の優しさに触れるたび
暗闇に光が灯り
やがて暗闇はなくなっていく

甘えすぎてはいけないと
彼の負担になりたくないと
そう思うことをまず止めるようにと
いつも言ってくれていた

彼が来てくれたら
なにもかも話してみようと
思っていた

数十分すると
彼が車をノックする

「ほら助手席!助手席!」
と私を移動させハンドルを握った

「海?二人きりがいい?」
と聞かれ

「二人きりがいい…」
と答えた

ホテルに入りベッドに横たわった彼が
手招きをする
そしておいでと言うように優しく笑って両手を広げた

謙さんを思い出した

謙さんもそうして
自分から飛び込んで行くことのできない私を導いてくれていた…

私はそこに何度も導いてもらいながらも
心を見せることが怖くてできなかった

あの時と同じになりたくないと
ふと思った

私は彼の側にゆっくりと近付きながら
迷って閉じてしまおうとしていた
心の蓋を外した

彼にしがみつくように抱きつく

「まったく…お前は……」
そう言って私を優しく抱きしめる

私は泣きながら午前中の話をし
自分の気持ちを吐き出す

「俺にぶつけな…
それがいい…
その苦しみがこの先ずっと一生続くことはない
全部終わるまで俺に吐き出しながら
頑張らないでいればいいから…」

頑張らなければいけないと
奥歯を食いしばり肩に力が入っている
そんな私を分かっているかのように彼が言った


私はありのままの感情をさらけ出す

彼はうなずき

そして

「お前は間違ってないから
大丈夫だから…
俺がいるなら…」
と何度も言ってくれた


泣いて泣いて
そしてそのまま彼の胸で眠ってしまっていた










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