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第15章 暗闇と光

「遅咲きは狂い咲きって言うしなぁ…」
エスプレッソを片手に真美が言った

「きっと美沙はずっと心は愛されたい
子供の頃のままだったんだよ…
やっと今心が自然に大人の女になろうとしてるんだろうな…」
真美が笑いながら言う

真美とは連絡が途絶えることもなく
ずっと続いていた
大学を卒業しずっと都内でプログラマーをしている

30歳で結婚をして
男の子に恵まれたが離婚をした

真美が離婚に悩んでいたとき
都内まで会いに行った

子供のためにと
耐えてきたけど
自分自身がもう限界だと泣いていた

神経質で長けて頭脳明晰な夫に
言葉の暴力を受け続け自分を見失っていた

聞くに耐え難い言葉を
浴び続けていた真美は私に聞いた

「私そんなに頭が悪いのかな…
バカな女なのかな…」

自信なくうなだれた真美を見て

「真美はまだ好きなの?
きっと旦那さんの愛情は歪んでる
男てして夫としてどうかと思うよ
全否定されて傷つけられても一緒にいたいと
そう願うの?
子供のためにって気持ちは分かるけどさ…
子供はお母さんが幸せじゃなければ
幸せを感じられないよ
子供が何でも分かるような歳になっても
その状態だったとしたら?
世間はそうは言わないだろうけどさ…
私からしてみれば
仲良くない両親なんていらなかったんだ
泣いてるお母さんなんて
死ぬほど見たくなかったんだ…」

私は真美の憔悴しきった姿を見て
胸が苦しくなった

やがて言葉ではおさまらず
手が出るようになり真美は離婚を決意した

それからシングルマザーとして
生活をしている

「私ね…
変わり者だからかとも思うし
美沙の人間性が昔から好きだから
実はダブル不倫だって聞いたときにさ…
あ、やっぱりそう来たか!
ってさ…おかしいでしょ?
一筋縄では行かなそうだというか…
もうどれだけ美砂らしさを
貫いて生きて行くつもりよ?ってね」

無邪気に笑いながら真美は話を続ける

「流行りだからとか
火遊びみたいなものよ…
なんて美砂にはまずありえないでしょ
昔から浮気はしない一途なとこがあったし
二年もたってようやく私にカミングアウトとはね…」

真美に両親の話や実家の処分の話をしている中で
真美の誘導尋問に単純な私は導かれ
話をしてしまった


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