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第15章 暗闇と光

「分かってると思うけど私は美砂の味方
両親のこと話していても
明らかに前より雰囲気が穏やかになったし
これはタダ事ではない何かが
美沙におきてるなって気になってさ」

真美が私をまっすぐ見て言う

「根掘り葉掘り聞きたいけどね
美沙は言いたくない人だから聞かないよ
それにそこに異常に生真面目だった美沙が
そうなった相手だとしたら
もう誰も止められないでしょ
美沙は今が一番幸せだね」

真美の言葉に涙が溢れそうになる

それ以上真美は私に何も聞かなかった


自宅に帰ると夫は付き合いでゴルフをはじめると
楽しそうに言っていた
私もそれを笑顔で聞いていた

趣味もなく私と二人きりばかりだった頃の夫より
遥かに充実しているように見えて
微笑ましく思った

夫は夫の時間を楽しんでくれたらいいと
そう思った

週に一度ほどになっていたそれは
やがて二週間に一度くらいになり
今は一月に一度求められるほどになっていた

年齢のせいでもあると
夫が言っていた

私は求められれば断ることなく
受け入れていた
それは興奮や欲情ではなく
夫婦としての自然な行為としてだ

彼との時はあんなにも果ててしまうのに
夫とは前戯で一度果てるだけのまま
何も変化がなかった

満たされないと思うことはなかったけど
そのことが不思議でたまらなかった

その夜夫に求められ
私はそれに応えた

「舐めて…」
と言う夫にいつものようにすると
彼にそうしているときを重ね
興奮を感じてしまっていた

クリトリスを舐めまわされ
果ててしまう

でも入ってくるときに
やっぱり違うと気付いてしまう

夫はいつものように
私の胸を揉み舐めまわし
やがて激しく腰を動かし果てる

夫が満たされた顔をし
眠りにつく姿を見て
夫は幸せなのだろうかと
疑問に思う

心の距離がお互いの本心に
靄を覆ってしまったのだろうか…

それでもこのままがいいと
このままでいいと
そう思っていた




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