この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
35
第16章 35

母には
「落ち着いてから日を改めて話をしに行くから」
と話し

夫には
「お母さんの具合が良くないみたいだから
今夜は実家に泊まるね」
と嘘をついてしまった

電話を終えてしばらくすると
彼が戻って来た

「飯食うか?
ホテル入るか?」
彼に聞かれ
ホテルへと向かった

シャワーを浴び
もどして汚してしまった服と髪を洗う
汗が引き冷えた身体が温まるように
熱いシャワーを体中に浴びる


バスルームから出ると
テーブルには食事が用意されていた

「とにかくなんでもいいから
お腹に入れろ
話はそれからでいいから」
彼にソファに座らされると
目の前の食事を見つめた

手羽先…枝豆…パン
サラダ…スープ…グラタン
アイス

「こんなに食べれない…」
そう言った私に

「分かってるよ
なんでもいいから食べな」
彼が笑う

私はスープを口につけ
彼に話をはじめた

夕方の出来事
父の言葉

そして声を荒げ父に言ってしまった
言葉…

「美沙…やっと言えたんだな
お前それが一番言いたかったけど
言えなかった本当の気持ちだろ?」
彼のその言葉に私は俯き言う

「でも言わずにいたかったんだ…一生ね…
自分がその言葉を言ってもすっきりしないことも
きっと言っても何も変わらないんだろうな
ってそう思ってたから…」
涙がまた溢れ出す

「美沙…泣くな
そんな親父のためになんか泣くな
泣いても仕方ないんだ
これからどうするか考えよう」

彼がそう言って
私にフォークを持たせ

「とにかく食べて!」
と私に言った

スープを飲み干すと
彼がサラダとパンを自分の口に運びながら
私の口元へ
「あーん!ほら!
俺の生まれて初めてのあーんだぞ!」
と言い笑う

私は彼に運ばれるがままにそれを飲み込む

「本当にもう…ご馳走さま…」
私がそう言うと食事を片付け
隣に座り肩を抱いた

「美沙…俺がさ
高熱の時一緒にいて看病してくれたろ?
俺あんなことされたのはじめてでさ
冷やした甘い梨とメロンと薬と
何も言わずに隣にいてくれてさ
ただ俺は寝てるだけなのにさ…」

「あぁ…それは当たり前のことで…」

「いや、当たり前ではない
少なくとも俺には当たり前じゃなかったんだ
家でさ…俺が寝込んでもな…
仕事はどうしたの
コンビニ行ってあれ買ってきてってさ
うつるから向こうの部屋に行けってさ」




/202ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ