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第4章 依存

私は

「じゃぁお父さんも普通じゃなかったんだね…
私のこと大切じゃなかったんだね…」

言いながら涙が溢れていた

友達の真美は中学からの仲で
家の事情もよく知っていた
あのはじめての夜までは
唯一私が全てを話せる友達だった

真美は一流大学卒の両親と兄弟の影響で
私立の中学に通っていたが
強いストレスからか胃潰瘍を何度も発症し
公立の中学に転入してきた

真面目そうでおとなしく
少し大人びて見えた真美は学校で浮いてしまっていた
私が何気なく話かけたときから
少しずつお互いの家のことを打ち明けて
仲良くなっていた

「私、勉強しかしてこなかったから
人が苦手でね
美紗はいいよね誰とでもそれなりに上手くやれるし」

「私も苦手だよ
なんか自分がみんなと違う気がするし
群れて仲良しするの嫌いだし
でも一人ぼっちも嫌だからそれなりにはね…」

真美とは気が合うと思った
先生や周りは
異色コンビとからかったけど
私達は気にもしていなかった

真美は塾に週何日も通い
家に遊びに行くといつも勉強していた

「あそこの高校受かってあの大学に行かないと…
親がね…」

いつも言っていた

県で一番頭が良いと言われる高校に合格し
春休み一緒に遊ぼうと約束をしたまま
私はあの夜を境に
真美を遠ざけていた

真美は家の事情を知るたび
怒ったり泣いたり
夜中に部屋に入れてくれたり
いつも助けてくれていた

純粋で生真面目な真美に
はじめての話はできないと思った

それから三年間たまに連絡をとる程度だった

一浪したものの目標の大学に通うため
都内に引っ越しをするから会いたいと連絡をくれた

まだ真美は私を心配してくれてる
私から距離をあけたのに
なんでこんなに優しいんだろう

私は何か真美とは誤解のあるままは嫌だと思い
三年間の全てを打ち明けた

真美は

「あのさ…いや…
美紗のことだから
何かあったんだろうと思ってはいたけど
聞いても言わないだろうし
よほどのことがあったんだろうって
あの頃周りも言ってたから待ってたんだけどね…
三年も待っちゃったよ!
確かに三年前の私じゃ警察にとか両親にって
言ってしまったと思うよ…
だけどせっかく美紗が一人で頑張って踏ん張って
家からも出てやっと自由になったのに
今がこれじゃ美紗の身体と心が可哀想だよ」

私は真美の言葉に涙が止まらなかった

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