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第5章 救いの手

危なっかしいけど真面目で
自分をしっかりと持った強くて優しい龍に
高校を卒業すると同時に就職して家を出て行った
兄を重ねていた

家出中何度も龍と一緒に眠ったけど

「妹みたいでたまらなく可愛い
だから一生お前には手出せね~」

そう言って腕枕してくれた

私は龍が大好きだった
男の人としてなのか
兄のようなのか分からなかったけど
はじめてのあの夜

「好きな人がいるので」

そう言った私の心の中には龍が浮かんでいた

龍のこともあのときから遠ざけてしまった

「お前、処女を大切にしろ!
はじめてする奴は俺に会わせてからだ!」

なんてふざけて龍が言っていたせいか
もう会えないって
そう思っていた

真美と龍の携帯だけは記憶していた
それがここまで私を導いてくれた

やけになるのも
心を塞ぐのも
しないでいこうと

素直に思った

「さ、面接行くぞ!」

龍が立ち上がると私は真美に手を降って
龍の車に乗り込んだ

「ね~本当に連絡してよ!
あ、龍さんにかければいいのか
あの!あの…本当にどうか宜しくお願いします」

真美が本気で叫んでる姿に
龍と爆笑した

「あれはいい奴だ」

龍が呟いた

龍が経営するのは高級クラブだった
私がさすがにそれはちょっと
と嫌がったので
龍が幼い頃から仲の良い
お兄さんのような存在の謙さんと言う人が経営する
飲み屋さんを紹介してもらうことになっていた

寮も空いているから丁度良いと
話はついていた

個室の割烹料理店に龍と入る

「やだ、こんなとこ…緊張するし」

「ははは、大丈夫、ここ旨いから」

そんな話をしながら部屋に入ると
スーツ姿の男の人が一人座っていた

細身で座っていても長身とわかる
顔の小さな男の人が謙さんだった

「謙ちゃんこいつ
連れて来たよ」

「これが噂の美紗ちゃんか!小さいな…
これじゃ男に勝てないな、食べて肉つけて強くなれ」

優しく謙さんが笑う

三人で世間話をしながら
運ばれてくる見たこともないような料理に
いちいち驚き観察して口に運ぶ

女将さんが料理の説明をしてくれる

今まで食べたことのないものばかりだった
薄味で素材の美味しさが広がる

「やだ、美味しい!あ、ごめんなさいっ!
嫌じゃないです!」

龍と謙さんが笑う

自分でも驚くくらいの食欲が沸いた





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