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第1章 はじめて

その年下の彼としばらくは順調だった

はじめてだったとは思えないくらい
彼はみるみるエッチに目覚め
ほぼ毎日のように会うたびしていた

彼が好きだったから望むことは応えたいと
素直に思っていた

徐々にお互いぎこちなさはなくなり
彼のあそこを望まれるままに舐めたり口に含んだり
変わった体位もした

いつも一緒に居た
それで充分に幸せだった

でも
私はある日気付いた

彼が私の中に入っているとき
気持ち良いと感じていないことを

胸の愛撫や指や舌でクリトリスを刺激されると
感じていたけど

中に入ってくると途端にその喉の奥の熱い感じや
ぼーっとした感じが無くなってしまうこと

はじめは慣れるまでこんなものなんだって思ってた

そしてそれが気のせいではないことを
なんとなく分かってた

きっと私の中にある何かが邪魔をして
そうなってしまうんだと
やっぱり蓋はされていなかったんだと
自分を責めていた

私は彼と付き合って一年が過ぎる頃に
はじめて話をした

私のはじめてがどんなだったか
そしてそれを忘れようと忘れたつもりでいたけど
無理みたいだということ

当時17歳の私と15歳の彼とでは
とても解決できる話ではなかったと思う

彼は泣きながら自分がはじめてではないだろうと
思っていたけど
そんなことがあったなんて思ってもいなかったと
乱暴に無我夢中で私に入ってきた

今思えば
きっと単純に嫉妬や戸惑いに耐えられず
私を激しく求めたんだと簡単に分かる

でもほんの少しも男心を知らなかった私は
優しくて大好きな彼が一瞬で
あのときの先輩と同じように思えてしまった

怖いと思ってしまった

その荒々しい行為の途中で
私の心はまた何も感じなくなってしまった

誰とも付き合わないほうがいい
みんな同じかもしれない

でもこのままずっと一人でいるのは
アイツ(先輩)にされたことから逃れられないまま

悔しい

誰かに助けてほしくて

彼に私から別れを告げたあと
私は自分を試すように
戒めるように
思いとは裏腹に何人もの男性と付き合うことになる





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