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第8章 揺れる心

翌日従業員の休みが重なってしまい
横山さんが手伝いに来てくれた

私は挨拶するだけで
顔が熱くなっているのが分かった

慌ただしく一日が終わり謙さんが迎えに来る

閉店後の事務所に横山さんと私と謙さん…
いつものように話をしていても落ち着かない

「今日は疲れたから早く帰りたいな…」
いたたまれなくて謙さんにそう言うと

「お疲れさまでした!」
横山さんはいつものように笑っていた

車に乗りほっとしていた

謙さんが

「横山になんか言っのか?
なんか店であった?」
と突然聞いてきたので

咄嗟に

「何もないよ」
と答えていた

「そうか…アイツなんかあったかな
様子がおかしかったからさ…」

謙さんが言ったけど
私は何も言えなかった

そわそわして
罪悪感と戸惑いと
ドキドキで落ち着かない

いつもの謙さんのトントンで眠れなかった
でも寝たふりをした

やがてそっと私から身体を離すと
テーブルでいつものメモを書き
静かに静かに謙さんが部屋を出て行った

「行かないで…」
言いたかったけど言えなかった

いつもこんなに気を使って
私が眠ったあと帰っていたんだな…

一緒にいてほしかったな…

しばらくしてテーブルのメモを見ると

「寝付けなかったみたいだねまたあとでね
愛してるよ」

そう書いてあった

謙さんは分かっていた
私が寝付いていないことも…

でも帰って行った

あの人だったらいてくれたかな
横山さんを思い出していた

その日はほとんど眠れず
月に一度の会議に出た
謙さんは会長に呼ばれ
私に戻るまで待つように言うと途中で出て行った

会議が終わり雑談をして
それぞれが事務所を後にしていく
私は眠気でぼんやりしていて
気が付いたら横山さんと二人になっていた

「どうした?疲れた顔して…」
パソコンに向かいながら横山さんが言った

「ちょっと寝付けなくて…」
と答えると

「えっ、寝てないの?大丈夫か?」
驚いたように顔を上げて言った

「大丈夫!たまにはそんなときもあります」
笑って私が言うと

「大丈夫じゃないから心配なんだよ
無理して笑うなよ…」

横山さんが少し怒ったように言った

私は吐き出すように言ってしまった

「こうしてないと…謙さんとはいられない…」
真っ直ぐ横山さんを見つめながら
泣いてしまった









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