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第10章 結婚生活
彼のお母さんは私たちはが引っ越した直後に
ガンが見つかり
彼のお姉さんの家に引き取られ
数ヶ月後には亡くなってしまった
彼からは
「すぐにでも会わせたいけど…
俺は結婚三回目だし美紗は若いから
あんまりいいこと言われないのも分かってるから
もう少し待っててな」
そう言われていた
私がはじめて会えたのは
彼のお母さんのお通夜だった
彼の親戚や兄弟が彼を見つけると
「今までどこにいたんだ!」
「ちゃんとやってるのか?」
と声をかけていた
私は彼にその理由を何も聞かなかった
彼はその晩私の胸で泣いた
私は彼を抱き締め一緒に泣いた
そして激しく交わった
私より涙もろくて
穏やかで
純粋な心を持っている彼のそばで
いつも笑っていたいと思っていた
言い争いや
不満がなかったのは
彼が全てを受け入れてくれているからなんだと
3年…5年と少しずつ年を重ねるたびに実感していた
毎晩眠るときには私に寄り添い
いつも私だけを見ていてくれている
少しずつ私は両親のことや
自分のことを打ち明けられるようになっていた
何も不安はなかった