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第11章 気持ちの変化

退院後数ヶ月後には再び救急車で父が運ばれる
今までと変わらない不摂生な生活を
送っていたからだと母は言っていた

長引く入院になりそうだからと
私は一度パートを辞め
実家と自宅を往復する生活が
数ヶ月続いた

一日か二日置きに実家に泊まり
母と病院を往復する

その間月ごとに入院費の請求書が父に渡される

いくらくらいになるんだろうと
請求書を開くと
月に9万円以上の請求に未納ぶんを合わせて
30万を越えていることに気付く…

「お父さん…お兄ちゃんと渡した入院費は?
今までずっと払わずにいたの?」

父は
「ごめんな…」
とひとこと言ったきりだった

兄からも退院後に通院や大量の薬代
で生活できないと
お金を渡してあると聞いていた

私は何も言う気力もなかった

親だから…
一緒にはもういたくないけど
感謝もできないけど
せめてもの親孝行はしてあげたいと
言われるがままにお金を渡してきた

でもそのお金はどこに消えてしまったのか
分からない…


私はその日実家に泊まるつもりだったが
彼に無性に会いたくなり
自宅に帰った


「どう?病院と実家
疲れてるだろ?」

私は今日の出来事を全て話した

「それは…ちょっとひどい話だな…」

彼は私に無理して通わなくても良いのではないかと
毎月決まったお金だけ入れてあげて
それで距離を置いてしまったほうが
私のストレスも少なくて済むのではないかと
言ってくれた

私はなぜかそれに答えることができなかった


モヤモヤとした気持ちがおさまらず
夕食が全く進まなかった

夜ベットで求めてきた彼に

「そんな気分じゃないんだ…」
と言えずに受け入れた

心がモヤモヤしていたはずなのに
いつものように愛撫されていると
感じてしまう

やがて今は考えなければ良いと
快感に溺れて果てる…

しばらくの間いつもそんな状態で
彼を受け入れていた








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