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第11章 気持ちの変化
「ねぇ…いつも私が帰らない日は
一人でコンビニの御飯たべてテレビ見て
寝るだけになっちゃてるんでしょ?
御飯とか飲みにとか友達と行ったら?
さみしいでしょ?」
と言った私に
「そうだな…たまにはそうしてみるよ」
と答える
私はそう答えた夫に少しほっとしていた
このままの状態が続けば
きっと不満も蓄積され
いつか爆発してしまうのではないかと
少し思っていたからだ
それから私が実家に泊まるとき
週に一度か二度は
夕食を友達と食べたり
夫の友達の経営するバーやスナックに
出掛けるようになっていた
その頃から
週に何度も求められても
自宅にいるときに夫が私のそばから離れなくても
疎ましいと感じることはなくなっていた
ある日アルバイトが終わり
実家で眠りにつこうと横になった時
夫から電話があった
賑やかな声の中で
酔った夫が家の鍵がなくなってしまったと
言っていた
今日は遅いし明日の朝早くには一度帰るから
誰かの家に泊めてもらえないか聞くと
私が帰ってこないと嫌だと
子供のように駄々をこねていた
「裕さん酔っぱらっちゃってて…
どうしようもないです
奥さん迎えにくるまでここにいるって
聞かないんですよ…すみません」
電話口で夫の友達が言う
私は深夜1時すぎ
一時間かけ夫を迎えに向かった
明日は朝お父さんの検査があるから
早くに病院に戻らなきゃ…
迎えに行くと夫はまだお酒を飲んでいた
「裕ちゃん帰ろ」
私が言うと
「まだ飲むんだー」
と私に抱き着く
「すみません…私が来るまでいてもらって…」
夫の友達に謝ると
「裕さん酒グセ悪いから大変でしょ?」
と友達が聞く
私は知らなかった
結婚する前に二度くらい
少しだけお酒を飲んでいるところは
みたことがあったけど
そんな気配はなかった
「この人飲むと短気になるからねぇ」
お店のママが言う
「そうそう!昔焼き鳥屋で…」
友達が言いかけたとき
「おい!余計な話をするんじゃねぇぞ!」
夫が鋭い目で友達を見た
「はいはい
怒られちゃうから先に帰りますよー」
友達は馴れた素振りでお店を出て行った
なんとか立ち上がらせて
車まで歩こうとエレベーターに乗ると
激しくキスをしてくる