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女は抱かれて刀になる
第5章 刀匠の武器
 
「和泉、お客様ですよ」

 離れの中へ通され、部屋の襖を開けた瞬間。虎徹は目を疑い、菊は初めて虎徹の前で穏やかな笑みを失う。

「げ、旦那!? お早いお帰りで……」

 襖の向こう側では、虎徹にとっては見知らぬ男が、和泉を仰向けに寝かせ犯していたのだ。男は慌てて醜い欲望を引き抜くが、抜いたそこからとぷとぷと溢れるのは汚れた種。

「テメェ――」

 菊が和泉に乱暴な真似をしているのは、はらわたが煮えくり返るが予測はしていた。だが虎徹は、菊が第三者を交えて和泉を犯しているとは予想していなかった。一気に噴き上がる怒りに、虎徹は刀を抜こうとする。

 だがそれは、響いた拳銃の音と、火薬の匂いで止められた。

「僕は、僕のいないところで和泉に手を出すなと言ったはずです」

 いつの間に構えたのか、虎徹には分からなかった。だが菊は拳銃を構え、発砲していた。幸いそれは威嚇射撃で、男ではなく壁を撃ち抜いただけだが、男の一物を萎びさせるにはちょうどいい恐怖だった。

「待ってくださいよ旦那! これは……違うんですよ。この淫乱な小娘が、犯してくれってオレを誘惑したんです!」
 
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