この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女は抱かれて刀になる
第5章 刀匠の武器
 
 菊の言葉に、和泉は揺れる。周りは敵だらけで、虎徹も負傷している今、窮地を乗り切る方法を和泉は見出せなかったのだ。

「さあ和泉、決めなさい。彼の風穴を増やすか、説得するか。僕はどちらでも構いませんよ」

 深く考える隙を与えず、菊は答えを迫る。そして、和泉が身を離そうとした瞬間。虎徹は左手で和泉の腰を抱き、口を開いた。

「何でも一人で決めようとするな。俺達は、恋人なんだろ?」

「でも……」

「大丈夫だ。俺には、刀がある」

 虎徹は一度和泉を離すと、撃たれた時に落とした刀を拾う。そして菊の前に立つと、とうとうその鞘を抜いた。

「虎徹、まさか」

 和泉の頭に過ぎるのは、虎徹の手が汚れてしまう最悪の展開。慌てて間に入ろうとするが、初めて見る刀に目を奪われ、思わず足を止めてしまった。

 平たい鉄の塊から出来たとは思えない程の鋭い刃に波打つ刃紋。僅かに反った刀身や切っ先には、武器としての効率の良さも詰まっている。格子に遮られた光にも反射し輝く刀は武器でありながら、和泉の思う最悪とは真逆の、真っ直ぐで真っ当な存在だった。
 
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ