この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女は抱かれて刀になる
第1章 始まりは金曜日
 
 そんな虎徹のうろたえに気付かず、和泉は大口で、しかし気持ち良くふりかけご飯を食べていく。食いっぷりの良さに、虎徹は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 和泉は米粒一つ残さず食事を終えると、しっかり手を合わせ御馳走様と口にする。そして食べた食器を持つと、片付けを申し出たのだ。

「片付け? 食器を洗えるのか?」

「そんなところから疑問なの!? もう、虎徹って失礼! 人の家でご馳走になったら、片付けくらい手伝うのは常識でしょ!?」

 初対面の男を誘う和泉に常識を語られるのは癪だが、虎徹の中でもそれは同じである。人の出すものに文句を言わない、手伝いをする、和泉は言動に反して、分別がある。

(……それならどうして、俺なんか誘ったんだか)

 再び沸いてくるのは、目の前の純朴な少女とはかけ離れた鋭い瞳への疑問。だが、愚直にそれを訊ねれば、和泉はきっと虎徹の前から姿を消すだろう。それが分からないほど、虎徹は鈍くなかった。

 結局虎徹は疑問を飲み込み、和泉が食器を洗う様子を後ろから眺める。手際の良い姿は、家事に手慣れている何よりの証拠だった。
 
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ