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女は抱かれて刀になる
第6章 明日も、あさっても
「そういえば、学校の授業料とかはどうなってるんだろうな? 一日も行かなくても卒業、って事は、何か工作してるんだろうが」
「うーん……その辺は、ボクもよく分かんない」
「その辺りも含めて、一度お前の母親と話さないとな」
「お母さんと?」
熱情に浸っていた和泉の瞳に、怯えにも近い色が混じる。だが虎徹の言葉を聞くと、それはすぐに変わった。
「お前未成年なんだから、親の許可がないと無理だろ? その……結婚とか、するにもさ」
「虎徹……」
「いや、お前がそこまでは嫌だって言うなら、別にいいんだ。ただ、戸籍がいつまでも母親の方にあると、お前自身が向こうに縛られちまうだろ? 母親は育児放棄してたんだし、そうやって戸籍から離れる方法もあるぞ、と」
そこまで言うと、虎徹は髪を掻きむしり溜め息を漏らす。そして和泉の上半身を起こし、自分も姿勢を正すと、深く頭を下げた。
「悪い、今のは建て前だ。本音を言うなら、ただお前に惚れてしょうがないから一緒になりたいんだよ。年は離れてるし、こんな貧乏生活だから苦労をかけるだろうが……俺の嫁に、なってくれないか?」