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女は抱かれて刀になる
第1章 始まりは金曜日
虎徹は大きい体をぶつけながら助手席のシートを倒し、和泉の上に覆い被さる。だが虎徹が柔らかな胸に触れた瞬間、和泉は大きな声を上げた。
「待って、こんな所で……やだ!」
窓は開かれている上、閉めたところで視界を遮る物もない。人通りのない道とはいえ、いつ誰が通るとも分からない場所だ。だが虎徹は、何を言いたいのか分からない振りをして手を進めた。
「じゃあどこならいいんだ? 買い物行かないと何もないって、さっき言っただろ?」
服の中へ手を入れブラジャーをずらし、直接乳首を摘めばすぐに固くなる。先程までとは違う熱い涙を滲ませながら、和泉はかぶりを振った。
「虎徹のっ……意地悪!」
「悪いな、こんな性格のせいで、今日まで独り身なんだ」
和泉の鋭い瞳が、虎徹の胸を刺す。それはますます虎徹の欲を掻き立てるが、これ以上不躾に触れれば切り裂かれる証でもある。斬られて得られる快楽は一度きり、後に待つのは死だ。虎徹は手を離すと、泣きぼくろを舐めて訊ねた。
「今すぐ引き返すのと買い物済ませてから帰るのと、どっちがいい?」
「何、その言い方! やっぱり、虎徹なんてキライ!」