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女は抱かれて刀になる
第1章 始まりは金曜日
「何を唐突に……それとこれは、別問題だろ」
「だって虎徹、あのまま車でエッチして、どうやって避妊するつもりだったの?」
痛いところを突かれ、虎徹は思わず目を逸らす。が、刺さる和泉の視線は、逸らしても逃れようがなかった。
「今ゴム持ってないって事は、普段から携帯はしてないんだよね。どうするつもりだったの?」
「……いやー、和泉は名探偵だな。じゃ、俺はこの辺でゴムを」
「逃げるなー! もう、どスケベのくせに、大人ぶって偉そうに!」
虎徹が背を向けると、和泉は広い背中を両手で叩く。そしてひとしきり叩き終えると、指で背筋をなぞった。
「――でも、ちょっと嬉しかった。ありがと」
虎徹が慌てて振り向けば、和泉は純朴な笑みを浮かべる。その笑顔を見れば、虎徹も降参するしかなかった。
「変に欲情して、悪かった。部屋戻って、仕切り直すか」
虎徹は和泉に向き合い手を取ると、自分の寝室へ足を進めようとする。しかし和泉は虎徹の手を強く握り、引き止めた。
「ううん。ボク……ここがいい。虎徹の変態が移っちゃったから、危ない方が好き。虎徹は、もう冷めちゃった?」