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女は抱かれて刀になる
第2章 淫らで穏やかな土曜日
 
「自由にしろって言ったのは虎徹じゃん。ボク知らない」

 和泉は素知らぬ顔で虎徹の首に腕を回し、改めてキスをする。起きている虎徹は和泉が自分から責め立てれば、それを受け止め共にとろけた。

 和泉が跨がっている虎徹の下半身は、みるみるうちに固くなっていく。和泉はそこに尻を押し付け刺激しながら、虎徹を鋭く睨み付けた。

「ねぇ、虎徹もボクが欲しいんじゃない?」

「そりゃ、こんな事されて欲情しない奴はいないだろ」

「……ボクだけが、欲しいんじゃないよね」

 二度目の問いは、消えそうなくらい小さな声だった。そして答えを待たないまま、和泉はぽつりと呟く。

「虎徹はズルいよ。ボクはなんかドキドキして落ち着かないのに、自分ばっかり余裕で。ボクが一人でうろたえて、バカみたいじゃん……」

 その言葉に、虎徹は今日の和泉がやけに意地っ張りだった理由を悟る。思わず吹き出してしまえば、和泉は虎徹の胸板を叩き激昂した。

「なんで笑うの!? 虎徹なんてキライ! スケベオヤジ!」

「いや、だって……本当に不思議な女だな、お前。照れくさいなら、しおらしくするのが普通だろ?」
 
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