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女は抱かれて刀になる
第2章 淫らで穏やかな土曜日
「虎徹も困れば、ボクとおあいこでしょ。一緒になるまで欲しがらないと、許さないから」
虎徹の焦る様子に、和泉は吐息を漏らしながら口角を上げる。悪戯な声は虎徹に憎まれ口を叩くと、常識を閉じ込めるよう唇を塞いだ。
ぐちぐちと水音が響く中、虎徹は溜め息を漏らす。熱の混じったそれは、降伏の証であった。
「あっ、ん……んんっ」
虎徹の手が和泉の腰を掴むと、下からの突き上げが激しくなる。嫌だと言っても聞かないであろう強い責め。それは和泉の心臓を飛び跳ねさせるが、もう気恥ずかしさはなかった。
吐き出される白濁を中で感じながら、和泉は虎徹に寄りかかる。伝わる虎徹の心臓もまた、これまでになく早鐘だった。
朝一番のスーパーは、朝市と称し安売りしているせいか賑わっていた。加えて、今日は土曜日。休みの子ども達が辺りを駆け回り、通路を塞いでいた。
「虎徹ー、虎徹はお肉と魚、どっちが好き? やっぱりお肉?」
そして周りの子どもと同じようにはしゃぎながら、和泉は虎徹の手を引く。揃いの作務衣を着た二人は、傍目から見れば不思議な関係だった。