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女は抱かれて刀になる
第2章 淫らで穏やかな土曜日
親子とも、兄妹とも恋人とも呼ぶには不自然な年の差。だが他人と呼ぶにも、親しげである。しかし家族連れが集まるこの場にも、自然と二人は馴染んでいた。
「俺が想像してたのは、もっと恥ずかしがって困るお前の顔だったんだけどな」
虎徹は肉のコーナーを眺めながら、つい溜め息を漏らす。和泉は結局下着を付けずに外出したのだが、まるで恥じる様子がない。色気のない反応に肩を落とせば、和泉は虎徹の背中を叩いた。
「だって、この格好楽だし便利だし。大体膝下まで隠れてるから、突風でも吹かなきゃ大丈夫だもん」
あっけらかんと語ったかと思えば、和泉は胸を虎徹の腕に押し付け、小声で挑発する。
「虎徹になら、いつ触られてもいいよ? 今だって、ね?」
布一枚を隔てた先にあるのは、男を惹き付ける瑞々しい素肌。その感触を知る虎徹は、つい溢れる蜜を想像し唾を飲み込んでしまう。和泉は汗ばむ虎徹の手を取ると、自らの胸に導いた。
「ほら、ボクもこんなに、ドキドキしちゃってる」
「ちょ……待て、今はマジで駄目だ! ストップ!」
虎徹は慌てて身を離し、辺りを見回す。幸い、二人の遊戯に気付く者はないようだった。