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女は抱かれて刀になる
第2章 淫らで穏やかな土曜日
肌がぶつかるたびに、火花が散り本能が研ぎ澄まされていく。和泉が体を支えきれず足の力を失えば、虎徹は挿入したまま和泉を抱きかかえ腰を揺らした。
「あっあ、深い……い、ああっ!」
重力はより繋がりを深め、和泉の芯を喜ばせる。虎徹も人一人を支える事で余裕を失ったのか、腰使いが段々と荒く激しくなっていく。苦しい一方、極限まで高められた体は深い快楽に目覚めていた。
絶頂は、いつまでも引かずに体を暴れ回る。意識は、もう取り戻せないと思うくらい散り散りに砕け、和泉は恐怖の混じった鳥肌が立った。
しかし、その瞬間背に回される虎徹の逞しい腕。和泉を軽々持ち上げ、落とすかも、などという不安を微塵も感じさせず導いた大きな手の感触は、バラバラになった和泉を一つに戻すようだった。
「和泉? あー……本当に意識飛んだか。お疲れさん」
無意識が手を伸ばし深淵へ沈む中、和泉が朧気に聞いたのは、気が利いている訳ではないが、いたわりと優しさの伝わる声だった。
結局昼間はそのまま眠ってしまい、和泉が手料理を振る舞ったのは夕飯になってからだった。豚カツに煮物など、高い食材は使っていない家庭料理。それは下手に手の込んだ料理よりも身近で、舌に合うものだった。