この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女は抱かれて刀になる
第1章 始まりは金曜日
 






「すきま風、寒いんだけど」

 ひびの入った土壁を眺めながら、少女は呟いた。そこから流れてくるのかは定かでないが、広さだけがとりえの古い日本家屋は、歩けば床が軋み畳は毛羽立っていた。

 大分暖かくなってきた春先の朝とはいえ、一糸纏わぬ姿でいれば寒い。少女は贅肉も筋肉もない華奢な体を縮こめると、煎餅布団に寝転んだ。

「文句を言うなら、貧乏なおじさんを引っ掛けた自分に言え。ああそうだ、ホテルがいいとか、金の掛かる文句は言うなよ」

「言わないよ。普通っぽくなくて、こっちの方がいい」

 少女の上に同じく裸体で覆い被さると、この汚い家の主、虎徹は色のある含み笑いを浮かべる。そして少女の頬に触れると、今さらな疑問を口にした。

「ところで嬢ちゃん、名前は? 俺は近藤虎徹、刀匠だ」

「とうしょう?」

「日本刀作ってる鍛冶屋さんだよ、奥に行けば、しっかり鍛冶場もあるぞ」

 すると少女は、うろたえ怯えた目を向ける。虎徹が首を傾げると、少女はか細い声で虎徹に尋ねた。

「じゃあ虎徹は……ヤクザの仲間なの?」

「ヤクザ? なんで」

「だって、日本刀ってヤクザの武器じゃん」
 
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ