この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女は抱かれて刀になる
第3章 夕日の沈む日曜日
 
(駄目だ、思い出せない。こりゃ年かな。そういや吉行も和泉をどこで見たか思い出せないとか言ってたし、この歳になると誰もが物忘れが激しくなるもんか――)

 ふと吉行が頭に浮かんで、虎徹は細い糸を掴む。マル暴である警察官の吉行。詳しく思い出せないとはいえ、どこかで和泉を見たという証言。そして、一文字と名乗る男に感じた、紳士の影にある違和感。

「――まさか」

 虎徹は慌てて携帯を手に取ると、吉行に電話を掛ける。仕事が仕事であるが故にあまり連絡が付かない吉行だが、幸いにも今日はすぐに繋がった。

『あら、てっちゃんから電話なんて珍しいじゃない。お誘いなら嬉しいけど、アタシこれから出番で――』

「冗談に付き合ってる暇はない! お前、一文字 菊って知ってるか!?」

『なんでてっちゃんがその名前出すのよ。それって……ああっ!』

「うるせえな、あんまり大きい声出すな」

『思い出したのよ、あの子! この前てっちゃんが連れてた女の子! あの子は――』

 吉行は、語る。虎徹が知らない、和泉の正体を。全てを知った虎徹に残るのは、無理にでも事情を聞き出さなかった自分への後悔だった。
 
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ