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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
菊は和泉の前にしゃがむと、溜め息を漏らし肩をすくめる。
「そうすれば、元の関係に戻れると思いましたか?」
「だって……菊さんがそんな事するのは、ボクが処女だったからでしょ! でなきゃ、ボクにこだわる理由なんてないじゃん!」
「まったく、僕はこの間しっかり話したつもりだったんですけどね。しかし、馬鹿とはいいませんよ。関係を修復したいと望む事、それは僕への信頼を失っていない証です。心から僕を嫌うなら、帰ってはこなかったでしょうし」
「嫌いになんてならないよ。菊さんは、ずっとお兄ちゃんだったんだもん。だから――んんっ!」
菊は和泉の顎に手を掛けると、暴れる隙もないまま口を開かせる。そして錠剤を放り込まれ、嚥下するまでキスで口を塞がれた。
「ふ、んっ……ごほっ、ごほ……な、何飲ませたの」
「前回は思いのほか暴れられて逃げられましたからね。反省を生かして、ちょっと薬を。ああでも、安心しなさい? せっかくの作品を、薬漬けにして壊したくはありません。海外では、合法な代物ですから」
「なんで……どうして!? 菊さん、恋人なんていっぱいいるじゃん! ボクに手を出さなくてもいいって!」