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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
「恋人なんて、暇と性欲を潰すだけの道具に過ぎません。そんなものがいくらあっても、慰みにもなりませんよ。ですが和泉、あなたは特別です。少し手垢が付いたからといって、見放す訳がないでしょう?」
菊の手が、和泉の頬から首筋をなぞる。本物の兄ならば有り得ない性的な手付きに、和泉は背筋を凍らせた。
「その、人を刺しそうな鋭い瞳」
和泉の脳は、逃げろと叫び体に信号を送る。しかし薬のせいか、体に力が入らず動かない。そのくせ感覚は研ぎ澄まされていて、菊の手付きに女の喜びを覚え始めていた。
「そのくせ、遠慮なく懐に飛び込んでくる無垢な笑み」
菊は和泉の服をぷちぷちと脱がせ、露わにしていく。滑らかな肌は、誰かの手に汚されたとは思えないほど白い。
「自然と男を手玉に取る小狡さも、全て僕が育て上げたものです。男が望む、最高の小悪魔を作るために」
「やだ……やめてよ、こんなのやだっ!」
「ですが……汚れてしまったのなら、少しくらい乱暴に扱っても構いませんね?」
菊に押し倒されて、和泉は後頭部を床にぶつける。その痛みに意識を持っていかれたのと同時に、足を割り開かれた。