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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
 
 胸を舌で弄び、一方で細長い指が和泉の中へ侵入してくる。飲まされた薬の影響か、そこは濡れながら指に絡みつく。乱暴に抜き差しされるたび、ちゅぷちゅぷと音を立て蜜が零れた。

「ひっ、ぁ……や、あんっ!」

「あの男に、たいへん可愛がられたようですね。前戯なく突っ込んでも、傷付かず受け入れそうだ」

「いや……やだっ、もうやめて!!」

 菊は指を引き抜くと、性急に秘裂へ自身をあてがう。濡れてはいるが、そこはまだ男を受け入れるだけの柔らかさを得ていない。和泉は首を振り喚くが、菊の耳に懇願が届く事はなかった。

「いやあああっ!!」

 沈められていく剛直に、悲鳴を上げたのは体だけでなかった。下腹部だけでなく、心臓までばらばらに壊れそうな痛みが走る。和泉の両足を掴み、腰を振り欲望を打ち付けるのは、紛れもなく十数年兄だと慕った男。そして何より和泉を絶望に叩き落としたのは、そんな男に犯されて、感じている自身の淫らさだった。

「あ……んん、やっ、あ、あっ!」

 最奥まで突かれるたび、肉棒を逃がすまいと締め付ける体。虎徹でなくとも感じる事実を、和泉は信じたくなかった。
 
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