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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
いつまでも血の涙を流す心と違い、男を知った体は与えられる快楽に浸る。無意識に腰は動き始め、菊を根まで食おうとしていた。
「ぁっ、い……ゃ、いぃ、んあっ!」
菊は、巧みな男だった。和泉が一瞬でも甘く喘ぐ箇所を見つけると、乱暴に突くばかりではなく深く挿入し、腰を回してそこを責める。初めてではないが、和泉はまだ性の手練れでもない。薬で浮かされた意識が陥落するのも、無理はない事だった。
「あああっ! いい、気持ちいぃ……もっと、やぁっ!」
「そうやって素直になればいいんです。さ、あなたが誰のものなのか、しっかり覚えなさい」
菊は動きを早め、全て壊すように和泉を責め立てる。そして奔流のまま、和泉の奥へと白濁を放った。
「――っ!!」
掴んだ和泉の足も、指先までぴんと伸び、硬直する。そしてとくとくと白濁を注がれるたび面白いように震え、力なく果てた。
陰茎を引き抜けば、和泉の秘裂から流れる征服者の証。熱く荒い息を吐く和泉の姿を見ると、力を失った陰茎はすぐに硬さを取り戻した。
うつ伏せにされた和泉の瞳から、涙がこぼれる。それは泣きぼくろを伝い、行き場もなく床に落ちていった。